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    Chi Saoは何をトレーニングしているのか?

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    Chi Saoは何をトレーニングしているのか?

    JKDとFunctional Wing Chun — Part 3

    Chi Saoはよく「感覚を養うトレーニング」と説明されます。

    Chi Saoを長く練習すれば、接触を通してプレッシャーや方向、動きの変化を感じ取る能力は高くなります。

    それは確かでしょう。

    しかし、そこには重要な問いが抜けています。

    何を感じ取るためなのか?

    そして、何のために?

    ある能力を高められるからといって、その能力が実際に役立つとは限りません。

    トレーニング方法の価値を理解するには、それがどのような問題を解決するためのものなのかを知る必要があります。


    異なる戦い方の中でのChi Sao

    これはJeet Kune Do(JKD/截拳道)を見ると、特に興味深い問題になります。

    JKDの中でも、Chi Saoの扱い方は流れによって異なります。

    Chi Saoやその他の詠春拳由来の練習を、近距離やトラッピングレンジでの感覚を養う方法として残している流れもあります。

    一方で、JKDが距離、タイミング、機動性、迎撃を重視する方向へ発展する中で、Chi Saoを減らしたり、取り除いたりした考え方もあります。

    ここで興味深い疑問が生まれます。

    もし全体の戦い方が主にキックやボクシングをベースにしていて、距離を出入りし、打った手を戻し、距離を管理し、接触を切ることを基本としているなら、

    その中でChi Saoはどのような役割を持つのでしょうか?

    一つの説明として、近距離で一瞬接触したときに必要となる感覚をChi Saoで養う、という考え方があります。

    そのような使い方を見せることはできます。

    しかし、

    「そういう使い方ができる」と見せることと、実際に有効なトレーニング効果があることは同じではありません。


    可能性を見せるだけでは十分ではない

    武術には、説得力のあるデモンストレーションができる技がたくさんあります。

    相手が攻撃する。

    接触する。

    そのプレッシャーを感じる。

    それに反応して技を使う。

    うまくいきます。

    しかし、そこで実際に証明されたのは何でしょうか?

    その動きが、その条件の中では可能であることは分かります。

    しかし、その能力を身につけるために多くの時間を使うことが、抵抗する相手への対応力を本当に高めるのかどうかは、それだけでは分かりません。

    それを確かめるには、別のテストが必要です。


    元の戦い方に戻してみる

    もしChi Saoで養った感覚が、キックボクシングのような打撃の攻防の中で役立つのであれば、その環境に戻してテストしてみればいい。

    相手にパンチを打って、手を戻してもらう。

    動いてもらう。

    抵抗してもらう。

    反対の手でも攻撃してもらう。

    接触を切ってもらう。

    クリンチしてもらう。

    そのまま攻撃を続けてもらう。

    そして、何が起きるかを見ます。

    Chi Saoで養った能力は自然に現れるでしょうか?

    その能力によって、状況を解決する力は本当に高まるでしょうか?

    そして、その能力を身につけるために使った練習時間に見合うほど、頻繁に、そして安定して機能するでしょうか?

    これは、Chi Saoの動きをデモンストレーションできるかどうかよりも難しい問いです。

    しかし、ずっと重要な問いでもあります。

    そして、主張するレベルが高くなるほど、このテストは当然のものになります。

    初心者には、学ぶためのコントロールされた環境が必要です。

    しかし、上級者になれば、学んだことを自由な抵抗の中でも使えるようになっていく必要があります。

    そして、その技術が実戦的に機能すると教える高いレベルの指導者やマスターであれば、そのつながりを抵抗の中で示せる必要があります。


    FWCも同じテストを受けなければならない

    Functional Wing Chunだけが、この批判から例外になるわけではありません。

    単に、

    「FWCのChi Saoは感覚を養います」

    と言うだけでは、ほとんど何も説明していません。

    Chi Saoから生まれた技をデモンストレーションできるというだけで、Chi Saoが有効だと主張することもできません。

    FWCも、Chi Saoで養う能力が、システム全体が解決しようとしている問題とどうつながっているのかを示す必要があります。

    ここでPart 1とPart 2につながります。

    相手に自由に攻撃を続けさせない必要があるかもしれません。

    FWCでは、相手に何度も自由にリセットさせるのではなく、前へのプレッシャーを使って進み続けます。

    すると、とてもシンプルな状況が生まれます。

    相手がこちらの前進に抵抗しなければ、そのまま進みます。

    接触すること自体が目的ではありません。

    しかし、相手がこちらの前進に抵抗すれば、そこに接触が生まれます。

    そこで、新しい問題が生まれます。

    何かが、自分の前進を妨げている。

    ここでChi Saoが意味を持ち始めます。


    接触後も前進を続ける

    Functional Wing Chunでは、

    Chi Saoとは、接触が生まれた後も前進を続けるための体系的な研究です。

    感覚は必要です。

    しかし、感覚そのものが目的ではありません。

    感覚は情報を与えてくれます。

    どこからプレッシャーが来ているのか。

    何が自分を妨げているのか。

    どこが開いたのか。

    どこが閉じたのか。

    それを感じ取ります。

    しかし、その情報を使わなければ意味がありません。

    Identify.

    Clear.

    Continue.

    抵抗が接触を生む。

    接触が情報を与える。

    その情報を使って、前進を妨げている問題を解決する。

    そして、続けます。


    なぜ前へのプレッシャーが重要なのか

    これが、FWCのChi Saoで前へのプレッシャーが重要な理由です。

    「Chi Saoとはそういう練習だから」前へプレッシャーをかけるのではありません。

    そのプレッシャーは意図を表しています。

    道が空いているなら、前へ進む。

    相手がこちらの前進を妨げなければ、そのまま進みます。

    相手が妨げれば、その抵抗によって、何が自分を止めているのかをIdentifyできます。

    それをClearする。

    そしてContinueする。

    この目的がなければ、Chi Saoは次第に複雑な手のやり取りになってしまう可能性があります。

    二人とも、相手のプレッシャーを感じ、それに反応することが非常に上手になるかもしれません。

    しかし、それでも問い続けなければなりません。

    何の問題を解決することが上手くなっているのか?

    その答えが主にドリルの中にしか存在しないのであれば、注意が必要です。


    Chi Saoをどうテストするのか?

    これは、Chi Saoの中で覚えた特定の「技」をスパーリングで使ってみる、という意味ではありません。

    それでは目的が違います。

    Chi Saoをテストするということは、Chi Saoによって養うはずの能力をテストするということです。

    何が自分の前進を妨げているのかをIdentifyできるか?

    自分のポジションを失わずに、その障害をClearできるか?

    そしてContinueできるか?

    Identify → Clear → Continue

    初心者が最初から自由な抵抗の中でこれをできる必要はありません。

    だからこそ、段階的に練習します。

    問題を単純にする。

    抵抗をコントロールする。

    何が起きているのかを理解できるようにする。

    そして、少しずつ不確実性と抵抗を増やしていきます。

    しかし、その段階練習には到達点があります。

    目的は、ドリルが上手くなることではありません。

    最終的な目的は、ドリルで養った能力を自由な攻防の中でも使えるようになることです。


    抵抗の中でテストする

    レベルが上がれば、協力を減らしていきます。

    相手に本気でこちらを止めようとしてもらう。

    プレッシャーを変えてもらう。

    パンチを出してもらう。

    離れてもらう。

    良いポジションを取り返そうとしてもらう。

    その練習が準備しようとしている状況に合った抵抗を、自由に使ってもらいます。

    ここで問うのは、

    「Chi Saoができるか?」

    ではありません。

    問うのは、

    「相手がそうさせまいとしている中でも、Identifyし、Clearし、Continueできるか?」

    です。

    これが本当のテストです。

    動きがChi Saoらしく見えないこともあります。

    それで構いません。

    ドリルが役割を果たしているのであれば、実際の攻防で現れるべきなのはドリルの形ではなく、そこで養った能力だからです。


    どこから機能しなくなるのか?

    もう一つ重要な問いがあります。

    どのような状況になると、Chi Saoは役に立たなくなるのか?

    その限界を見つけることは、システムの失敗ではありません。

    別の解決方法が必要になる場所が分かるということです。

    FWCでは、Chi Saoですべての戦闘上の問題を解決する必要はありません。

    Chi Saoの役割は、それが想定している状況が現れたときに役立つ能力を養うことです。

    だからこそ、抵抗が重要になります。

    抵抗がなければ、そのドリルが実際以上のことを教えてくれていると信じてしまうのは簡単です。


    感覚そのものが目的ではない

    ですから、問うべきなのは、

    Chi Saoで感覚を養えるか?

    ではないのかもしれません。

    もちろん、養えます。

    もっと重要なのは、

    その感覚は、自分たちの戦い方の中で実際に起きる問題を解決するために役立つのか?

    という問いです。

    この問いは、JKDにも、詠春拳にも、FWCにも同じように向けるべきです。

    Functional Wing Chunでは、Chi Saoに明確な目的を持たせています。

    前へのプレッシャーによって前進する。

    相手が抵抗すれば、接触が生まれる。

    接触から情報を得る。

    そして、

    Identify.

    Clear.

    Continue.

    初心者が学べるように、段階的に練習します。

    しかし、最終的には抵抗の中でも機能しなければなりません。

    そうでなければ、私たちが示したのは、

    Chi Saoがどのように見えるか

    だけです。

    Chi Saoが何をできるのか

    を示したことにはなりません。

    目的は「Chi Saoの技」を使うことではありません。

    目的は、ドリルがなくなっても機能する能力を身につけることです。

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    止めるのは攻撃か、攻撃者か?

    image is showing a FWC wing chun interception at J's GYM in Shinmaruko.

    止めるのは攻撃か、攻撃者か?


    JKDとFunctional Wing Chun — Part 2

    Part 1では、シンプルな問いについて考えました。

    迎撃の目的とは何か?

    Jeet Kune Do(JKD/截拳道)では、相手の攻撃を防御してから反撃するのではなく、攻撃が展開している途中で迎撃するという考え方がよく知られています。

    Functional Wing Chun(FWC)でも、迎撃を非常に重要視しています。

    しかし、その前にもう一つ考えるべきことがあります。

    そもそも、どのような攻撃を想定しているのか?


    想定する攻撃者が変われば、解決方法も変わる

    私自身が経験してきたJKD、そして私がこれまで見てきた多くのJKDでは、キックボクシングに近い状況をベースに練習していました。

    二人が向かい合う。

    お互いに戦う準備ができている。

    距離を調整しながら出入りし、コンビネーションで攻撃し、防御し、反撃する。

    そこにJKD独自の迎撃、リードハンド、ストップキック、トラッピングなどの考え方が加わりますが、基本となる状況は打撃の攻防として理解しやすいものです。

    もちろん、それ自体に問題があるわけではありません。

    しかし、Functional Wing Chunが主に想定している問題とは少し違います。

    FWCでは、こんな状況を考えます。

    相手が技の攻防をするつもりではなく、激しく前に出てきたらどうするか?

    相手の目的は、こちらを圧倒することかもしれません。

    この違いは重要です。


    パンチだけが攻撃とは限らない

    打撃の距離から相手がパンチを出してきたとします。

    腕がこちらへ伸びてくる。

    それを迎撃する。

    パンチは止まりました。

    では、今度は同じパンチを出しながら、相手が身体全体で激しく前進してきたらどうでしょう?

    腕への対応に成功しても、相手自身はまだこちらへ向かってきます。

    反対の手も一緒に来ます。

    体重も一緒に来ます。

    続けてパンチを出すかもしれない。

    掴んでくるかもしれない。

    そのまま身体ごとぶつかってくるかもしれない。

    あるいは、前進する勢いだけでこちらのポジションを崩してしまうかもしれません。

    パンチは、問題の一部分にすぎません。

    問題はパンチそのものではないことがあります。

    そのパンチと一緒に前へ来る人間が問題なのです。


    「止める」の意味が変わる

    JKDでは以前からストップヒットやストップキックが使われており、相手の前進を迎撃するローラインへのキックもあります。

    ですから、これは一方のシステムだけが何かを理解していて、もう一方が理解していない、という話ではありません。

    より興味深いのは、その道具をどのような戦闘状況の中で使っているのかということです。

    相手が打撃距離へ出入りしている状況なら、相手の入りをうまく止めることで、その攻撃はいったん終わり、再び距離のある状態に戻るかもしれません。

    しかし、相手がこちらを押し切るように前進している場合、一つの攻撃を止めても、相手そのものは止まらないかもしれません。

    この違いは、FWCを発展させていく中でますます重要になってきました。


    「次へ進む能力」を止める

    FWCでは、特に膝や金的へのローラインのストップヒットを使います。

    しかし、目的は単にもう一発攻撃を当てることではありません。

    狙っているのは、

    相手が効果的に前進し続ける能力に影響を与えることです。

    ストップキックによって相手の動きが崩れ、そのまま効果的な攻撃を続けられなくなったのであれば、その時点で目の前の問題は解決しています。

    FWCに迎撃があるからといって、必ず迎撃する必要はありません。

    技が状況を決めるのではありません。

    状況に合わせて技を使います。

    では、ストップヒットで相手が止まらなかったら?

    そのまま前へ来たら?

    そこで新しい問題が生まれます。


    次の攻撃をさせない

    ここでFWCの迎撃が重要になります。

    最初の攻撃に対して決められた技を使わなければならないから、迎撃するわけではありません。

    このままでは次の攻撃が来る。

    それを防ぐ必要がある。

    そのような状況で迎撃が必要になります。

    これは重要な違いです。

    目的は、

    ストップヒット → 迎撃 → 継続

    という決められたコンビネーションを行うことではありません。

    問うべきなのは、

    相手が効果的に攻撃を続けることを防げるか?

    ということです。

    防げたのであれば、それ以上何かをする必要はないかもしれません。

    防げなかったのであれば、別の解決方法が必要になります。

    迎撃は、相手が次の有効な攻撃を出すために必要な時間と空間を奪いながら、自分がそのまま続けられるポジションへ入るための一つの方法です。


    フットワークでも条件を変えられる

    フットワークによっても、相手が攻撃を続ける能力に影響を与えることができます。

    相手が激しく前進しているとき、同じライン上をそのまま後退するだけでは、相手にやりたいことを続けさせてしまうかもしれません。

    自分の位置を変えることで、相手に方向転換をさせたり、足を調整させたり、前進する方向を変えさせたりすることができます。

    そうすれば、相手は効果的なプレッシャーを続ける前に、もう一度身体を整えなければなりません。

    ここでも、必ずしも最初のパンチそのものを倒そうとしているわけではありません。

    相手が攻撃を続けられる条件を変えています。

    フットワークで問題が解決したなら、それでいい。

    ストップヒットで解決したなら、それでいい。

    どちらでも解決しなければ、さらに問題を解決していきます。

    方法は方向を示す。

    状況がルートを決める。


    なぜ「どんな攻撃者を想定するか」が重要なのか

    ここに、JKDとFWCを比較する面白さがあります。

    使っている技そのものは、それほど違わないかもしれません。

    どちらもパンチを使います。

    キックも使います。

    ストップヒットも迎撃もあります。

    そして、どちらも詠春拳との歴史的なつながりがあります。

    しかし、似た道具を使っているからといって、同じ戦い方になるわけではありません。

    どのような攻撃者を想定して練習するかによって、その道具の使い方も変わります。

    主に、技術のある相手との打撃の攻防を想定するのであれば、タイミング、距離、スピード、そして一つ一つの攻撃を迎撃する能力が非常に重要になります。

    一方で、相手が激しく前進し、こちらの攻撃が当たっても止まらず、すぐに次の攻撃を出してくる可能性まで想定するなら、別の問いが重要になります。

    どうすれば、相手にそれ以上続けさせないようにできるか?

    この問いは、Functional Wing Chunの発展に大きな影響を与えてきました。


    止めるのはパンチか、攻撃者か?

    最初の問いに戻りましょう。

    何を止めようとしているのか?

    パンチを止めれば十分なこともあります。

    ストップキックによって相手の前進が崩れ、それ以上何も必要なくなることもあります。

    フットワークによって状況を変えられることもあります。

    そして、それでも相手が前へ来ることもあります。

    そのとき、一つ目の攻撃に対応するだけでは十分ではありません。

    問題は、今起きている攻撃だけではなくなります。

    その直後に来るかもしれない攻撃も問題になります。

    そこで、もう一度「迎撃」という考え方につながります。

    FWCだから必ず迎撃するのではありません。

    相手に攻撃を続けさせないために、状況が迎撃を必要とすることがあるのです。

    だから、

    「攻撃を止めたか?」だけを考えない。

    もう一つ問いましょう。

    「攻撃者が続けることを止められたか?」

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    技が止められたとき――そこから「対応力」が始まる

    the wing chun wooden dummy is perfect for training adaptability

    木人で対応力を練習できる!

    要約: 技を覚えることと、相手に抵抗されたり、止められたり、反撃されたりしても続けられることは別の能力です。Functional Wing Chunでは、あえて抵抗やカウンターを加え、そこから生まれる接触を情報として使いながら対応し、最終的な目的へ進み続ける練習を行います。対応すること自体が目的なのではありません。相手に止められにくくなり、戦うことを避けられない状況では、できるだけ早く戦いを終わらせることが目的です。

    読了時間:約3分

    技が止められたとき――そこから「対応力」が始まる


    武道や護身術の技を覚えること自体は、それほど難しいことではありません。先生が動きを見せ、それを繰り返し練習し、少しずつできるようになっていきます。

    しかし、相手がこちらの想定どおりに動いてくれなかったら、どうなるでしょうか。

    相手が強く抵抗するかもしれません。こちらの技を止めるかもしれません。動き方を変えたり、反撃してきたりすることもあります。ほんの少し前までうまくいっていた技が、突然同じようには通らなくなることがあります。

    ここで、単に技をたくさん知っているだけでは十分ではない場合があります。状況が変わったときに、自分の動きも変えられる能力が必要になります。

    ブルース・リーは、対応することを説明するために「水」のイメージを使ったことでよく知られています。一つの形に固まるのではなく、目の前の状況に合わせて変化する。とても分かりやすい考え方ですが、そこにはもう一つ実践的な問いがあります。


    では、その対応力を実際にはどうやって身につけるのでしょうか。

    Functional Wing Chunでは、その対応力を養う一つの方法として、まず技が成功するところから始め、そこに意図的に抵抗やカウンターを加え、それでも続ける方法を探す練習を行います。

    その基本的な流れは、とてもシンプルです。


    技が決まる → 止められる・反撃される → 対応する → もう一度決まる → 続ける → 終わらせる


    ただし、対応すること自体がこの練習の目的ではありません。いろいろな技に変化できることを見せたり、どれだけ多くの答えを知っているかを示したりするために対応するわけではありません。

    戦うことを避けられない状況であれば、全体としての目的はもっとシンプルです。

    できるだけ早く戦いを終わらせること。

    対応力は、そのために必要になる能力の一つです。最初に選んだルートを相手に止められても、そこで主導権を手放して最初からやり直すのではなく、状況に合わせて変化しながら目的に向かって進み続けます。


    まず、進む方向を作る

    例えば、パクサオとパンチから始めるとします。先生が動きを見せ、生徒が基本的な形を覚え、最初の反応に対してその技がうまく決まる。これによって、まず目的に向かうための一つの方向ができます。

    対応するということは、相手が何をするか分からない状態で立ったまま待ち、起きたことに次々と反応することではありません。まずはこちらから動き始めます。そのあとで、相手の抵抗によって初めて「何に対応しなければならないのか」が具体的になります。

    技は最初のルートを作ります。

    そして、相手がそのルートを閉じようとしたところから、次の練習が始まります。


    次に、相手が抵抗する

    最初の技がうまくいったら、今度は相手に反応を変えてもらいます。パンチを止めるかもしれません。腕の位置を変えるかもしれません。カウンターを狙うかもしれません。あるいは、単純にこちらの前進を止める方法を見つけるかもしれません。

    先ほどまでうまくいっていた技が、今度は同じようには通らなくなります。そこでよく起きるのが、もっと力を使って元の技を押し通そうとすることです。それで成功する場合もありますが、対応力を身につけるという意味では、あまり多くを学べません。

    相手が抵抗すると、状況が変わります。そして、その抵抗によって接触が生まれます。その接触が、私たちに情報を与えてくれます。

    どこで前進が止まっているのか。どの方向から抵抗が来ているのか。相手が一つの道を閉じようとしたことで、別のところに新しい道ができていないか。接触を通して、そうした変化を感じ取ることができます。最初の技を無理に続けるのではなく、その情報を使って自分の動きを変えていきます。


    抵抗に合わせて対応する

    必要な変化は、大きいとは限りません。手の方向を少し変えるだけかもしれません。自分の位置を変える必要があるかもしれません。反対の手が使えるようになることもあります。あるいは、相手がこちらを止めようとしたことで、別のルートが開くこともあります。

    大切なのは、相手のあらゆるカウンターに対して決められた答えを一つずつ暗記することではありません。抵抗によって何が変わったのかを理解し、それによって自分の前進がどのように止められているのかを見極め、目的を失わずに別の方法へ変えていくことです。

    目的は変わらない。抵抗が変わる。だから、進むルートを変える。

    対応すること自体が目的ではありません。最初に選んだ道が使えなくなったときでも、目的に向かって進み続けるための手段です。


    うまくいったら、そのまま続ける

    だからこそ、次の 「続ける」 という部分が重要になります。対応した結果、もう一度こちらの動きが通ったとしても、それだけで練習を終えてしまうわけではありません。実際の状況では、技が一つ成功したからといって戦いが終わっているとは限らないからです。

    これはFunctional Wing Chunで繰り返し使っている考え方、「見極める。崩す。前進する。」 ともつながっています。こちらの前進を止めているものを見極め、それを崩し、そしてそのまま目的に向かって進み続けます。

    相手がもう一度変われば、こちらももう一度変わります。こちらが動き、相手が抵抗し、その接触から情報を得て、対応し、そして再び前に進む。わずかな時間の中で、進むルートは何度も変わるかもしれません。しかし、目的そのものは変わりません。


    最後は、終わらせる

    「流れる」「対応する」「動き続ける」といった言葉を強調しすぎると、ずっと動き続けること自体が目的のように聞こえてしまうことがあります。しかし、そうではありません。戦わなければならない状況であれば、できるだけ早く終わらせたいのです。

    つまり、本当の考え方は単に 「対応して続ける」 ではありません。「終わらせるために、対応して続ける」 ということです。

    対応力が高くなれば、相手に止められにくくなります。そして、止められにくいことには大きな意味があります。一度止まって完全にやり直すたびに、相手には立て直す時間や、もう一度攻撃する機会が生まれるからです。

    だから、対応する目的は非常に実践的です。

    相手に止められにくくなり、できるだけ早く戦いを終わらせる。


    接触した後の対応力

    武道における「対応力」には、いろいろな形があります。接触する前に戦略を変えることもできます。距離やタイミング、位置を変えることもできます。別の攻撃を選ぶこともできますし、そもそも戦わないという判断をすることもできます。どれも重要な対応力です。

    Functional Wing Chunでは、それに加えて 接触が生まれた後の対応力 を重視しています。こちらが動き、相手が抵抗する。その抵抗によって接触が生まれます。そして、その接触が情報を与えてくれます。

    その情報を使いながら、自分の動きを変え、できるだけ主導権を手放さず、目的に向かって前進し続けます。これが、詠春拳でチーサオのような接触練習が重要になる理由の一つです。

    接触していること自体が目的なのではありません。接触することで、変化を感じることができます。今までのルートが通らなくなったことを知ることができ、そこから次のルートを探すための情報を得ることができます。


    目的は変えない。ルートを変える。

    ここで「水のように」というイメージが、とても分かりやすくなります。水は障害物にぶつかったとき、最初に進んでいた方向にそのまま無理やり通ろうとはしません。目の前の状況に合わせて形を変え、別の道を進んでいきます。

    しかし、それは方向を失うという意味ではありません。

    Functional Wing Chunでも同じように考えます。

    目的は変えない。ルートを変える。

    目的に向かって動き始める。抵抗に出会う。接触から情報を得る。その情報を使って対応する。前進を続ける。そして、可能であればできるだけ早く終わらせる。

    技が決まる → 止められる・反撃される → 対応する → もう一度決まる → 続ける → 終わらせる

    技を覚えるところが、練習の始まりです。

    相手がその技を止めようとしたとき、それでも前に進み続ける方法を学ぶところから、本当の対応力が始まります。

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    When a Technique Gets Blocked: Learning to Adapt

    A FWC wing chun fighter got blocked and has to adapt to keep going forward.

    You don't need more techniques - you need to learn how to adapt!

    Brief summary: Learning a technique is one thing. Being able to keep going when someone resists, blocks or counters it is something else. In Functional Wing Chun, we deliberately introduce resistance so students can learn to use the contact it creates as information, adapt, and continue toward the real objective: ending the fight as quickly as possible.

    Reading time: about 3 minutes

    When a Technique Gets Blocked: Learning to Adapt


    Learning a martial arts or self-defense technique is relatively straightforward. A teacher shows you what to do, you practice the movement, and eventually you can make it work.

    But what happens when the other person doesn't react the way you expected?

    They may resist more strongly, block what you are doing, move differently, or counterattack. A technique that worked perfectly a moment ago can suddenly stop working.

    This is where simply knowing more techniques is not necessarily enough. You also need to learn how to adjust when the situation changes.


    Bruce Lee famously used the image of water to describe adaptability: rather than becoming fixed in one shape, change according to what you encounter. It is a powerful idea, but it also raises a practical question:

    How do you actually train someone to become adaptable?

    In Functional Wing Chun, one way we train this is by first allowing a technique to work, then deliberately adding resistance or a counter and asking the student to find a way to continue.

    The basic progression looks like this:


    WORKS → BLOCKED / COUNTERED → ADAPT → WORKS → CONTINUE → FINISH


    Adaptation, however, is not the goal of the exercise. We are not trying to become endlessly creative or demonstrate how many different solutions we know. If fighting has become unavoidable, the overall objective remains much simpler:

    Finish the fight as quickly as possible.


    Adaptability is one of the things that helps us do that. When the opponent stops the route we originally chose, we need to be able to adjust without unnecessarily giving up the initiative and starting again.


    First, we need a direction

    Perhaps the student begins with a Pak Sao and punch. The teacher demonstrates it, the student learns the basic movement, and against the initial response it works. That gives us a starting point—a direction toward the objective.

    Adaptability does not mean standing in front of someone waiting for random things to happen and then trying to react to each one. We initiate first. The opponent then gives us something real to adapt to.

    The technique provides the first route.

    What happens when the opponent tries to close that route is where the next part of the training begins.


    Then the opponent resists

    Once the first version works, the training partner changes what they are doing. Maybe they block the punch, change the position of the arm, counterattack, or simply find a way to stop our progress. Something that worked a moment ago now fails, or at least no longer works in exactly the same way.

    One possible response is to add more strength and try to force the original movement through. Sometimes that may even work, but it teaches us very little about adaptation. The opponent's resistance has changed the situation, and importantly, that resistance often creates contact. The contact gives us information.

    Through that contact, we can begin to feel where our progress is being stopped, where the resistance is coming from, and sometimes where the opponent has created a new opening by trying to close another one. Instead of blindly insisting that the original technique must still work, we can use that information to change what we are doing.


    Adapt to the resistance

    The adjustment does not always need to be large. Perhaps the hand changes direction, our position shifts slightly, another hand becomes available, or the opponent's attempt to stop us exposes a different route forward. The exact solution is less important than learning the process of recognizing what has changed and responding to it without losing sight of the objective.

    This is why adaptability is different from simply collecting more techniques. We are not trying to memorize one predetermined answer for every possible counter. We are learning to recognize resistance, understand what it is doing to our progress, and find a way around it.

    The objective remains. The resistance changes. So the route changes.

    Adaptability is not the destination. It is a means of continuing when the route we initially chose is no longer available.


    When it works, continue

    This is why the next part of the sequence is so important: CONTINUE. If our adaptation succeeds, we do not automatically stop and reset simply because another movement worked. The fight may not be over, and the overall objective has not necessarily been achieved.

    This connects directly to one of the ideas we use throughout Functional Wing Chun: Identify. Clear. Continue. Identify what is stopping your progress, clear it, and then continue toward the objective. If the opponent changes again, we adapt again. We act, they resist, the contact gives us information, we change what we are doing, and we continue.

    The route may change several times in only a few moments. The objective does not.


    And ultimately, finish

    There is a danger when we talk too much about flow, adaptability and continuous movement. It can begin to sound as though continuing indefinitely is somehow the goal. It isn't. If fighting is unavoidable, we want it to end as quickly as possible.

    So the full idea is not simply adapt and continue. It is adapt so that you can continue toward the finish. Becoming more adaptable makes us harder to stop, and becoming harder to stop matters because every unnecessary reset gives the opponent more time and another opportunity to attack, recover or change the situation.

    The purpose of adaptability is therefore very practical: become harder to stop so that you can finish the fight as quickly as possible.


    Adaptability during contact

    There are many ways to be adaptable in martial arts. You can change strategy before engagement, adjust distance or timing, choose a different attack, change position, or decide that engagement should be avoided altogether. All of these forms of adaptability are important.

    Functional Wing Chun also places considerable emphasis on something else: adapting after contact has already been established. We initiate, the opponent resists, and that resistance creates contact. The contact gives us information, and we use that information to adjust what we are doing while trying to preserve the initiative and continue toward the objective.

    This is one reason contact training such as Chi Sao plays such an important role in Wing Chun. Contact is not something we maintain simply for the sake of staying connected. It allows us to feel change. It tells us when the route is no longer clear, and it gives us information that can help us find another one.


    The goal stays. The route changes.

    Perhaps this is where the image of being “like water” becomes particularly useful. Water does not insist on travelling through an obstacle exactly as it originally approached it. It changes according to what it encounters, but that does not mean becoming directionless.

    Functional Wing Chun works in much the same way. The goal stays. The route changes. We initiate toward an objective, encounter resistance, use the contact to gather information, adapt, continue, and, when possible, finish.

    WORKS → BLOCKED / COUNTERED → ADAPT → WORKS → CONTINUE → FINISH

    A technique is where the exercise begins. Learning how to keep going when the opponent tries to stop it is where adaptability begins.